ひとりを楽しむ

子育ても落ち着き、自分の時間がとれるようになってきました。一人でも充実した時間を過ごしてお伝えしていきます。

東京一人旅 若冲展最終日に行く

「最終日の若冲展に行くなんて、無謀!」と友人からいわれました。最終日というのは混むものです。しかもTVの特集の影響で、今空前の若冲ブームです。



それに出掛ける数日前に「若冲展320分待ち」とインターネットのニュースで流れて、私も一瞬止めようかと。でも行ってみるだけ行ってみようと思ったのです。



朝6時41分の新幹線に乗りました。それでも美術館に着いたのは開館10分前の8時50分です。



すでに入場待ちの列は300メートルくらい出来ていました。チケットは手にいれていたので、チケット売り場に並ばずには済みました。




家から麦わら帽子、凍らせたペットボトル、日傘を持ってきて熱中症対策も万全です。体力が持つ限り並んでみよう!




周りをみると、70才前後の人生の先輩方がたくさんいらっしゃいました。まだ50にもいっていない私が頑張れないはずがない。




思ったより風は爽やかで、上野公園の木々は頭の上に優しい木陰を差し出してくれました。




美術館の方々も、日傘の貸し出し、団扇の配布、無料での給水サービス、と努力されています。




待ち時間はフランス語のニュースを聴いて、退屈をしのぎました。意外と列はサクサクと進み、1時間20分で入口チケットもぎりに着きました。




3時間は覚悟していたので、ちょっと拍子抜け。ただ内部は満員電車並みに混み、係員さん達の誘導の叫び声が耳につき、閉口しましたが…。でも入場できればこっちのものです。




混みすぎて、ちっとも進まないのでお陰でじっくり観ることが出来ました。構図、色彩、筆遣い、どれをとっても素晴らしい!鶏を始め、動物が気に入ったモチーフだったようで、生き生きとした動物達の描写に、若冲の動物に対する慈しみと心根の優しさが伺えます。




特に三十三幅の動植綵絵は圧巻でした。たった一人の人間が、完成度の高い絵三十三幅を、たった10年で仕上げた…人間業とは思えませんでした。




伊藤若冲は家業にも身が入らず、妻もめとらず、社交もほとんどしなかったそうです。家にこもってひたすら絵に対峙する人生。彼の持てるエネルギー全てがぶつけられた絵を観て、意義ある「引きこもり」を成し遂げた若冲に尊敬を覚えました。



200年以上をへて、自分の産み出した作品が人々に愛でられ、感動と影響を与える。なんて素敵な人生!


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一人で東京に来るとたいていPAULで朝食。フレンチな雰囲気と味が好き。名古屋にはないので、いつも楽しみ。